10月26日 厚労省に「手紙」2879通を提出
第3弾提出行動、厚労省は丁重な対応 ~第1、2、3弾をとおして計9444通を提出~
10月26日、いのちまもる緊急行動(以下、緊急行動)は厚生労働省に対して、これまでに集まった「菅首相への手紙」(10月4日の首相交代以降は岸田首相宛)2879通を提出しました。内閣府に対し第1弾、第2弾を提出してきましたが、第3弾である今回は所轄官庁である厚労省に提出しました。あわせて、打ち込んで冊子にしたもの(第1弾1061人分、第2弾518人分、第3弾494人分)とともに、小畑雅子緊急行動共同代表名で岸田文雄首相および後藤茂之厚生労働大臣にあてた要請書を渡しました。今回が本緊急行動としての最終提出となりました。

「『どこの政党だから』でなく、現場で起きていることをふまえて対処しなければ」
厚労省からは、大塚弘満・労使関係担当参事官室参事官を中心として4人が丁重に対応しました。はじめに、黒澤幸一全労連事務局長より、「首相に読んでいただきたいと思ってこれまで2度提出してきた。医師、看護師もかなり記入してくれているので、医療現場で何が起きているかわかるものとなっている。公立・公的病院の統廃合の撤回等について来年の通常国会に向けて要請しながら、選挙に向けて各政党にも公約化を求めてきた。病院・病床を減らす方向を撤回してほしい」と「手紙」と要請の趣旨を説明しました。
厚労省・大塚参事官は、「憲法といのちとくらしをまもる地域活性化の活動に取り組んでおられることに心から敬意を表する。現場の声を届けるのはとても大事。私たちは現場で起きていることを知ったうえで政策に活かさなければと思っている。いのちとくらしをまもる政策は、どこの政党だからではなく、現場で起きていることをふまえて対処していかなければならないこと。どこの言うことなら聞くどこなら聞かないというスタンスではないので、引き続きこういった活動をしていただきたい。予算上の制約はあるが、第6波が来てしまったらどうするか議論している。ベッドがあっても人がいなくてはどうしようもない」と返答がありました。
「医師・看護師はいつ休んでいるのか」「要請を担当部局に伝え、政策に反映したい」
さらに、黒澤事務局長は自身の経験を踏まえ、「私が勤務していた病院では、ベッドの使用率が98%にならないと黒字にならなかった。午前中まで入院していた人が退院し、午後には別の患者を入院させるような、1つのベッドを2人で使うようなことをしないと黒字にできない。これではギリギリすぎるし、医師、看護師の長時間勤務が蔓延している」と医療現場の経営・労働実態の厳しさを伝えました。厚労省・大塚参事官は、自身が入院した時のことをふりかえり、「丁寧に対応していただいたが、医師、看護師はいつ休んでいるのだろうと思った」と語りました。 続いて、前田博史全労連副議長が、「国会で政府は、潜在看護師、リタイアした高齢の医師も含めれば人数が足りると説明しており、これだけで対応するように聞こえて仕方ない。病床を確保してもどう機能させるかが全く追いついていない。日本は1ベッドあたり看護師が0.9人など欧米諸国に比べ圧倒的に少ないのに、政府は平気で足りているという答弁。財務省などの圧力はあるだろうが、この課題については、皆さんの方から政治家に対して跳ね返してほしい」と力強くうったえました。
厚労省担当者らはうなずきながら聞き、「要請は担当部局にお伝えし、政策に反映したい」と返答しました。
今回は厚労省職員に「手紙」に寄せられた実態に関心を持ってもらい、私たちの要請に肯定的に対応してもらうことができ、非常に実りある懇談の場となりました。
